独りよがりのつぶやき

花の写真を中心とした 気ままなブログです

大河内山荘

H28.8.17(火) その11  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

天龍寺の北口から竹林の径へ出た。ものすごい人込みだ。早くこの雑踏から
脱出しようとかみさんに言ったら、大河内山荘の方は静かなはずよ、と教え
てくれた。バスの出発時間までにはまだ余裕があり、また、山荘まで足をの
ばしたこともなかったので、それではと向かった。

入口前には入るかどうか迷っている人たちが数多くいたが、外国人が迷いも
なく受付に向っていたのには驚いた。事前に調べ上げて来ているのだろう。

大河内山荘は、"あの"と言ってもその名を知る人は少なくなっているのだろ
うが、「シェイはタンゲ、ナはシャゼン」(姓は丹下、名は左膳)という独
特の台詞回しで知られた往年の名優、大河内傳次郎が造営した別荘だ。

パンフレットには、次のようにあった。

 大河内山荘は・・・時代劇の名優大河内傳次郎(1898〜1962)が、
 昭和6年 (34歳)から64歳で逝去するまでの、30年の歳月にわたり、
 消えることのない美を求めて、こつこつと創りあげた庭園・・・


園内には、登録有形文化財の中門・大乗閣・持仏堂・滴水庵が点在している。
順路に従い園路をゆっくり進んだ。竹林の小径とは異なり、さすがに静かだ。


 中門 - 庭園の内と外を区切る。面白味があり、親しみを覚える。

中門


 大乗閣 - 別荘の中心施設。「数寄屋師笛吹嘉一郎の代表作」とか。

大乗閣


 持仏堂 - 昭和6年、「山荘の全ては此処から始まりました」

持仏堂


 茶室滴水庵の前庭 - 苔がとても美しい。

滴水庵と前庭


 嵐峡展望台から 展望がパッと開ける。

  嵐山 - 眼前には嵐山(標高381.5m)が。中腹のお堂は大悲閣

大悲閣千光寺(1)


  大悲閣千光寺 - 角倉了以によって創建された。

大悲閣千光寺(2)


 市内展望台から 月香亭(げっかてい)。標高は120m近くか。

  案内板 - 仁和寺の塔を探したが見つからず。

案内板


  京都盆地展望 - 京都盆地を一望できる。遠くには比叡山が。

京都盆地展望


 瓦を敷き詰めた園路 - 園内には様々な意匠の園路があり、楽しめる。

園路


園路を下った先の記念館を覗いてから、抹茶と和菓子をいただき、山荘を
後にした。

ここには、昨日見た二条城や高台寺の庭園、つい先ほど見た天龍寺の庭園
とは異なる、とても静寂で、落ち着きのある情趣があった。また、何より
も、ハッと息をのむ素晴らしい展望があった。園内を進むにつれ、身も心
も、自然に包まれて溶け込んでしまったかのような、そんな気分になった。

大河内伝次郎は、この嵯峨野小倉山の山麓に、映画出演料の大半を投じ
て、山荘の造営に取り組んだ。

庭づくりに人生をかけた、強靭な意志とひたむきな情熱。その感嘆せずに
はいられない凄まじいまでの生きざまとは、一体何だったのだろうか。

機会があれば、再び山荘を訪ね、「消えることのない美」を求めた大河内
伝次郎の姿に接したいと思った。


.
大河内山荘

   京都歴史散策マップ 嵯峨・嵐山 -京都市埋蔵文化財研究所
   大河内山荘パンフレット ( 表紙説明案内図
   文化遺産オンライン  ・ 中門  ・ 大乗閣  ・ 持仏堂  ・ 滴水庵
   もう、贅を尽くした趣味の良さみたいな。 きらびやかではないけど華があるみたい
   な。「こんなモノを日本人は欲しいんだよね」というような素晴らしいお家・・・

     -ほぼ日刊イトイ新聞 -『新選組!』withほぼ日テレビガイド
   大河内山荘に来ると、嵐山の喧騒を忘れ、優しい気持ちになる。それは、大河内傳
   次郎が夢見て実現させた美しい庭があるだけでなく、その気持ちを汲み取って大事に
   守っておられるご子孫の努力も感じるからだ。こうして傳次郎が大河内山荘に描いた
   夢は、ずっとこの地で続いて行くのである。

     -第10回 大河内山荘の夢 -烏賀陽百合(女性自身[光文社] 2015年)

大河内傳次郎 - Wikipedia

   室生犀星
   ・ 『大河内伝次郎氏の印象』 -室生犀星全集 第4巻(新潮社 1965)
       - 室生犀星『犀星随筆』(春陽堂書店 昭和7年) -
      大河内君は柔らかい碎けた、映畫の上で見る鋭さがちよつとも分らない位、人
     懐こい調子で常人のやうに話してゐたが、身がまへや氣取りのない爽然たる人物
     だった。

   ・ 『京洛日記』  -文芸林泉 随筆集(中央公論社 昭和9) -国会図書館DC
       ≪十三、西芳寺≫  ≪十五、飛雲閣≫  ≪十八、旅愁≫
          (堀辰雄『「文藝林泉」讀後』 -青空文庫
   ・ 『時代劇の人々』 -随筆文学 犀星随筆集(三笠書房 昭和10) -国会図書館DC
     笑はない大河内君の顔は好いが寧ろ怒つている時の顔が一番好いのである・・・。
     大河内君は怒つて居れば美しくなり、千恵藏も少々怒つて居れば顔が緊つて來る
     のである。

   ・ 『一日も此君なかるべからず』 【女優と映畫史】 - 伏見直江さんのこと
       - 室生犀星随筆集(人文書院 昭和15) -
   高峰秀子『わたしの渡世日記 上・下』 (朝日新聞社 1976)
   ・ 『にくい奴』(上 p.245 p.246)
     俳優は常に、営業用の顔と、個人としての素顔と、二つの「顔」を持っている。
     それは虚像を売って生活をする人間にとっては、ごく自然のことで何の不思議も
     ない。しかし、私の見た大河内伝次郎は、時代劇の大スターの顔と、無心に氷あ
     ずきをすする中年男の顔と、山上の冷気の中で座禅を組む、修行僧のような顔と、
     三つの顔を持つ人であった。

   ・ 『十人の旗』(下 p.38)
     「右か、左か、どっちへ行ったものだろう」
      ひとつ間違ったらたいへんなことになりそうな気がしたが、グズグズしてもい
     られない。私はとりあえず、私の信頼できる人の行く方へ行ってみよう、と思っ
     た。
      私のすぐ前を、大河内伝次郎とプロデューサーの青柳信雄が歩いてゆく。私は
     ためらわず大河内伝次郎の尻にくっついた。

       (高峰秀子『わたしの渡世日記』 -松岡正剛の千夜千冊315夜 2001年)
   憧れの剣戟スター「大河内傳次郎」 -佐々木亜希子
    読書や読経を好み、酒も煙草も博打も女もやらなかったという傳次郎。彼の中には、
    静謐と躍動が、喜怒哀楽が、芸術的感性と大衆的感性とが、非常に豊かに、バラン
    スよくあったように思える。そして、その中心に、思想、信仰、求道心のようなも
    のが。そう、彼の手からなる書や禅画の魅力的なこと!・・・生前の彼が言ったと
    いう言葉―私は他の俳優の人気というものにはちっとも恐れないが、その俳優が稀
    にみる人格者であった場合、内心恐れるー。人格者であることを一にした彼だから
    こそ、語り継がれるだけの価値を築き上げる事ができたのだと思わずにいられない。

   京の博物館 ティータイム 大河内山荘 -大邊徹(京博連だより 2009.9 p.12)
    大河内の庭,それは戦争犠牲者や亡くなった友人達や自身の両親の為の鎮魂の庭で
    もあったのです。

   大河内伝次郎、没後50年 -京都新聞 【凡語】 - 2012年07月18日
    嵯峨野・小倉山にたたずむ回遊式庭園は現代人への贈り物でもある。「スターの意
    外な一面」の言葉では表現しきれない複雑な魅力が、希代の名優を生んだのかもし
    れない。

   第283回 大河内山荘 『大河内傳次郎は時代劇の人気スターやったんどすえ』
     - ちょっと言いたくなる 京都通:宇治茶 伊藤久右衛門 2014,2.20 -
   豊前市公式HP/大河内 傳次郎  ・ 大河内の広葉杉(こうようざん)
   映画『槍供養(やりくよう)』の画像配信/京都府ホームページ

丹下左膳 - Wikipedia

   林不忘『丹下左膳 01 乾雲坤竜の巻』 -青空文庫
     化物屋敷
      この風のごとき浪士丹下左膳、じつは、江戸の東北七十六里、奥州中村六万石、
      相馬大膳亮(そうまだいぜんのすけ)殿の家臣が、主君の秘命をおびて府内へ潜入し
      ている仮りの相(すがた)であった。

   「映画監督・山中貞雄の作品研究『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』」の記録
      -第12回イメージライブラリー課外講座立 花義遼教授 2000年12月7日
   林不忘『丹下左膳』(同光社 1943) 松岡正剛の千夜千冊 734夜
   みんゆうNet ふくしまの舞台-丹下左膳之碑-




関連記事

テーマ:■京都を撮る■ - ジャンル:写真

  1. 2017/02/23(木) 21:46:34|
  2. その他
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<高雄・北山杉 | ホーム | 歷應資聖禪寺>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://dajaro.blog40.fc2.com/tb.php/679-921a03af
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

dajaro

Author:dajaro
男性 福島市在住

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

ごあいさつ・お知らせ (3)
3.11関連 (43)
花のすがた (542)
それぞれの桜 (44)
岡部(自宅)に咲く花 (169)
岡部(隈畔)に咲く花 (65)
その他 (124)
絵 画 (13)
彫 刻 (27)
未分類 (3)
ブログ開設準備 (10)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR