独りよがりのつぶやき

花の写真を中心とした 気ままなブログです

南大門仁王像

H28.8.15(日) その4  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12


ライトアップされている仁王さんを、はじめて観た。

160815 金剛力士像(阿形)160815 金剛力士像(吽形)

国宝、東大寺南大門「木造金剛力士立像」。
鎌倉時代(建仁3年(1203))。寄木造。像高阿形836.3㎝、吽形842.3㎝

暗闇の中に浮かび上がる、鬼気迫る形相に圧倒されて、身がすくんだ。
阿形像の、何と厳しく、そして激しい怒りに満ちた表情なのだろうか。
そして吽形像の、すべてを押しとどめ、仏敵の侵入を一歩たりとも許そ
うとしない、内に秘めた揺るぎない強固な意志の力。

これまでに観た日中の白っぱしい印象 -それでもすごいのだが- とは
まったく異なり、照明の効果によって像容がより鮮明にあらわれた姿を
目の当たりにして、そのすさまじさにあらためて驚いた。

南大門の仁王像といえば即運慶作と連想しがちだが、この一対の仁王像
の造立には、昭和63年(1988)から平成5年(1993)にかけて行われ
た全面解体修理によって、運慶・快慶・定覚・湛慶の4人が関わったこ
とが確認されている。

「東大寺の仏像 -Wikipedia」では、「銘記を素直に解釈し、阿形像は
運慶と快慶が、吽形像は定覚と湛慶がそれぞれ担当したという見方もあ
るが、運慶が仁王像制作全体の総指揮を取ったとする見方が有力である」
と記している。

何れにしても、力強く逞しい姿の阿形・吽形の両像は、運慶を惣大仏師
として造られたもの。 やはり凄い。

  「さすがは運慶だな。眼中に我々なしだ。天下の英雄は
   ただ仁王と我れとあるのみと云う態度だ。天晴れだ」と
   云って賞め出した。
 - 夏目漱石『夢十夜』:第六夜 - 


「日本の彫刻」(鎌倉時代)は、円成寺の大日如来坐像に次いで、藤本
四八
撮影の作品3点を載せている。 

 金剛力士像(阿形) - 藤本四八 撮影 -
    「日本の彫刻 上古-鎌倉」(1960 美術出版社)

   金剛力士像(阿形)-藤本四八


 金剛力士像(吽形) - 藤本四八 撮影 -
    「日本の彫刻 上古-鎌倉」(1960 美術出版社)

   金剛力士像(吽形)-藤本四八


   金剛力士像(吽形・部分)-藤本四八

      【解説久野 健】 【観賞北川 桃雄


ライトアップされた阿形・吽形の両像を前にして、CGで復元された
金剛神立像
の姿が、一瞬、思い浮かんだ。 金剛力士(仁王)は、金剛
(こんごうしょ)を執って仏法を守護する、執金剛神を本身とするとか。

いよいよ、明日は京都。観音寺の十一面観音立像や千本釈迦堂の釈迦如
来坐像に初めてお会いできる。嬉しくてたまらない。



.
 境内のライトアップ 南大門ライトアップ - 東大寺 公式ホームページ

   ※ 「東大寺3Dバーチャル参拝」の3番目に出てきます。
     「左へ」で阿形像を、「右へ」で吽形像を、「自動回転」で
     360度のパノラマをご覧いただけます。

 東大寺の仏像(Wikipedia)目次 4

   応和2年の近畿大風雨 応和2年8月30日(962年10月6日)
     - 国会図書館DC-国史大系. 第5巻 日本紀略 後篇4 村上天皇應和

   南都焼討 - Wikipedia

    ・ 奈良炎上-平家物語 上巻 巻五- 国会図書館DC-日本古典全集
    ・ 藤原兼実『玉葉』 巻35 治承4年12月29日 国会図書館DC-玉葉. 苐二 
    ・ 南都焼払-吾妻鏡 巻1 治承4年12月28日- 国会図書館DC-吾妻鏡. 第1

   国指定文化財等DB(国宝 彫刻):木造金剛力士立像(所在南大門)
     ※ 条件指定検索 ⇒ 名称 ⇒ 木造金剛力士立像(所在南大門)

    ・ ト書: 阿形像の金剛杵に建仁三年七月二十四日始之、大仏師法眼運慶、
     アン(梵字)阿弥陀佛、同像内に八月七日金剛力士立之等の銘がある
    ・ 国宝指定:1952.03.29(昭和27.03.29)

     関連情報 附
      像内納入品
       阿形像 像内納入品
        ・宝篋印陀羅尼経等 1巻 奥に建仁三年八月七日、執筆沙門浄阿弥
         陀佛・勧進造東大寺大和尚南無阿弥陀佛等とある
       吽形像 像内納入品
        ・宝篋印陀羅尼経等 1巻 奥に建仁三年八月八日、執筆恵阿弥陀仏、
         造東大寺大勧進大和尚南無阿弥陀佛、大仏師定覚・湛慶等とある

   東大寺別當次第 国会図書館DC - 群書類従. 第參輯

     89 法印權大僧都辨暁
     正治元年。六月。南大門棟上也。
     90 法務大僧正延果
     南大門之仁王。建仁三年。七月廿四日。被造始之。聖人御坊沙汰也。
     大佛四人之内運慶。備中法橋。□安阿彌陀佛。越後法橋。小工十六人云云。
     合左右二十人也。浮色被爲給了。十月三日。開眼了。

   『運慶 時空を超えるかたち』(別冊太陽)
      - 山本勉監修 平凡社 日本のこころ176 (2010.11)から -

     金剛力士像阿形金剛杵部材-別冊太陽「運慶」(p.125)金剛力士像吽形納入宝筐印陀羅尼経-別冊太陽「運慶」(p.122)

 『日本の彫刻 上古-鎌倉』(1960 美術出版社)

      164-167 金剛力士像 鑑賞:北川桃雄

    奈良へゆけば必らず東大寺を訪ねる僕にとって、この南大門の仁王さん
   (金剛力士のこと)はどこの仁王よりも馴染みがふかい。木彫としては世
   界最大の巨像であるが、まことに本尊大仏を守護するにふさわしく、堂々
   としてしかも芸術的に立派な仏像である。大きいけれども鈍重ではない。
   豪快で颯爽としている。その点は簡潔な天竺様の南大門の風格に共通して
   いる。
    写真をならべるとよけいはっきりするが、この二体は、全体として相称
   的であるとともに、部分的にはたがいに照応的につくられている。息を吐
   き指をパッとひらく瞬間の阿形の力士と、息を吸い指をむすぶ刹那の吽形
   の力士 ── 阿形の力は下から上へ、吽形の力は上から下へ、両者の力は
   一つの円をつくって流動し、融通している。そうした流動感の表出に成功
   したのは、具体的には、適度な肢体のこなしと、軽快な衣裳の扱いにもと
   づくのであるが、その肉体も解剖学的な写実にしたがわず、自由な様式を
   おこなって、りゅうりゅうたる筋肉の生動や、内にこめられた力をよく表
   わしている。西洋彫刻の立体性からみれば、衣裳における平板さなどが指
   摘されるかもしれないが、全体の比例、均衡はよくととのっている。
    木寄法という分業的な制作方法の発達もさることながら、なにしろ、こ
   れだけの大作をらくらくとこなして、力と動きを十二分にあらわした手腕
   は大したものである。そこに僕は、運慶、快慶によって代表される鎌倉彫
   刻家の、「天平」と取り組んだ、溌剌とした芸術意欲を感じるのだ。これ
   がほんとうの伝統の生かし方だと思う。


      鎌倉時代の彫刻 久野 健

    この像のあと、運慶様の完成には文治年間(1185-1189)における東
   国武士からのあいつぐ仏像の注文があずかって力があったと思われる。即
   ち北条時政や和田義盛等の要求に答え、運慶が彼等武将の気風にあった仏
   像を制作したことも、彼の作風をいっそう力強いものにしたと考えられる。
   そうした完成体を示すのが建仁三年(1203)に快慶とともに作った東大
   寺南大門の仁王像である。前の大日如来が運慶の決意であるとすれば、こ
   れは、その完成である。日本彫刻史上でも最大の木彫といわれる二十八尺
   に及ぶ忿怒像であるが、充分な安定感をそなえ、鎌倉彫刻独特の力の表現
   に成功している。全身から発散する力 ── この像の前に立って、つい半世
   紀前までのあの装飾的な藤原時代の天部を思い出すならば、この様式を完
   成した運慶の天才を感ずることは、むずかしいことではない。この他運慶
   の遺品には、北円堂の諸仏がある。今日興福寺に残る当時の像は、本尊の
   弥勒如来像と、世親、無著の三軀である。この弥勒像を先の大日如来像に
   比べると、運慶の見事な成長が感じられる。大日如来像が青年なら、弥勒
   像は、もうすっかり円熟した大人の顔つきである。世親、無著像も、復古
   的作風とともに、ボリュームのある精神表現に優れた作品である。この他、
   建保年間(1213-1218)につくられた六波羅蜜寺の地蔵菩薩は、運慶
   の今日残る最後の遺品として、その充実した技倆を知るうえに重要なもの
   になっている。
 


   法印運慶 - 国会図書館DC - 墨水遺稿. 巻3 歴代大仏師譜 -

    ・ 高山寺縁起 国会図書館DC- 続群書類従. 第27輯ノ上 釈家部
    ・ 高山寺山城名勝志 巻之九 葛野郡三 - 国会図書館DC-史籍集覧. 22
    ・ 寺塔己下注文 - 吾妻鏡 巻9 文治5年9月 - 国会図書館DC- 吾妻鏡 第2
    ・ 考古学から「平泉文化」を考える-平泉は確かに「都市」であった⑥
      - えさし郷土文化館 相原康二館長のツキイチコラム(22)
    ・ 喜田貞吉『奥州における御館藤原氏』 - 青空文庫 -

 奈良学ナイトレッスン 第7期 奈良の古仏を愛でるⅡ
    ~ 第三夜 運慶の仏像 快慶の仏像 ~
 西山厚(奈良国立博物館学芸部長)

 第7回配本 運慶・快慶と中世寺院(鎌倉・南北朝時代Ⅰ):日本美術全集|小学館

   『日本美術全集』関係者インタビュー 第四回竹下亜紀氏 2014年
       - 青い日記帳 出前ブログ

   山本勉先生講演会「運慶のまなざし-全作品47体と眼の表現」
       - 弐代目・青い日記帳 2014.02.07 -


 夏目漱石『草枕』 三 - 青空文庫 -

     この故に動と名のつくものは必ず卑しい。運慶の仁王も、北斎の漫画も
    全くこの動の一字で失敗している。動か静か。これがわれら画工の運命を
    支配する大問題である。


 夏目漱石『夢十夜』 第六夜 - 青空文庫 -

   芥川龍之介『寒山拾得』 - 青空文庫 -

   夏目漱石『文芸の哲学的基礎』 - 青空文庫 -
      - 明治四十年四月東京美術学校において述 -

     運慶の仁王は意志の発動をあらわしている。しかしその体格は解剖には
    叶っておらんだろうと思います。あれを評して真を欠いてるから駄目だと
    云うのは、云う方が駄目です。


   高村光太郎『回想録』 二 - 青空文庫 -

     鎌倉では矢張運慶一派のものに見るべきものがあるが、ただ鎌倉のもの
    は多少俗だ。然し運慶の無著禅師などは殊に立派であり、仏でも大日如来
    などはなかなかよい。





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テーマ:史跡・神社・仏閣 - ジャンル:写真

  1. 2016/10/02(日) 18:09:13|
  2. 彫 刻
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

Re: 迫力ある~

モノクロ、いいですね。
やはり白黒の写真や映画で育った世代なんですね。
横浜での写真展、2回目とか。楽しみですね。
是非、アップしてください。待ってます!
  1. 2016/10/16(日) 12:33:56 |
  2. URL |
  3. dajaro #K4Y5.yjQ
  4. [ 編集 ]

迫力ある~

白黒の金剛力士像迫力ある。
カラーも良いけどモノクローム写真良い~ね
最近モノクロも復活しているみたい。
ブームじゃないが私も横浜で2回目のモノクロ写真展やりますのだ.
  1. 2016/10/12(水) 22:16:43 |
  2. URL |
  3. ぽっぽさん #-
  4. [ 編集 ]

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