独りよがりのつぶやき

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黒巌山満願寺

H28.4.9(土) その5  1 2 3 4 5 6 7 8

旧参道の石段をの上りきった正面に、立派な山門が構えていた。

 山門の扁額

山門

「黒岩満願寺展」(福島県文化センター 昭和54年10月20日~12月5日 )
図録には、次のように記されている(p.11)。

 ・ 山門の扁額「黑巌山」は黄檗五世高泉の書
 ・ 満願寺の本堂は棟札によると寛政4年(1792)に建築
 ・ 山門は宝暦八年(1758)の建築で四脚単層の重厚な門

黄檗五世高泉は、元禄5年(1692)に黄檗宗萬福寺の第5代住持となった
高泉性敦(こうせんしょうとん)のこと。明からの帰化僧で、寛文元年(1661)
に来日し、元禄8年(1695)に没している。

高泉和尚は、寛文5年(1665)に二本松藩主丹羽光重が創建した法雲院
(珊瑚寺)の住持(開山)として招請された。

高校時代の同級生である藤田君は、和尚が二本松に居た期間は短かっ
たが、この間に満願寺との交わりが深まったのだろうとして、次のように
記している。

 同寺には、高泉の書になる寛文年間の鐘銘下書や、山門扁額の
 下書があるが、これらは二本松存居時代の高泉に請うて得たもの
 であろう。

  - 藤田定興『福島県の黄檗宗寺院』(文化福島 1981/1月号)

山門を入るとすぐに、案内板が立っている。

 「黒岩虚空蔵および満願寺」案内板

IMGP0328

黒岩満願寺展の図録の「黒岩満願寺の由緒と資料展の概要」
においては、次のように記している(p.1)。

  満願寺の歴史は、これまでのところ江戸時代の初期までは遡れ
 明らかである。慶長三年(1598)上杉景勝が越後春日山から会津
 若松に移って120万石を領し、信達両郡もその支配下におかれる
 が、この頃より、上杉氏と深いかかわりをもつようになり、満願寺
 隆盛の時代をむかえる。
  ・・・
  満願寺が臨済宗となるのも、上杉氏の強い要請によるものとおも
 われるが、つい最近まで満願寺は、山形県米沢市御守町(旧二の
 丸)にある臨済宗法泉寺の末寺であった。この法泉寺の前身は禅
 林寺と称し、上杉景勝の命によって、直江兼続が普請奉行となって、
 城の北部(二の丸)白子明神の西方に創建したといわれ、満願寺と
 もゆかりの深い九山和尚(寛永13年11月遷化)の開山である。
  ・・・
 元祿4年(1691)藩主上杉定勝の息女亀姫の法号法泉院に因んで
 法泉寺と改称されたが、同寺に伝わる元和4年(1618)事蹟帳によ
 ると、同年11月25日旧信夫臨済宗の全寺院が挙げて禅林寺に登
 山してその末寺となったとあり、満願寺もこのころすでに臨済宗で
 あったことが知られる。


藤田君は、九山宗用(きゅうざんそうそう)について次のように記している。

 九山は、この禅林寺住職の傍ら多くの門弟を擁し(その法系は
 信達地方の妙心寺派寺院に広がる)、一時京都妙心寺に再入し
 て第百十五世の職にもついた。そして晩年は、福島市土湯の興
 徳寺に隠居しこの地に歿したといい、(享保二年興徳寺鐘銘)墓
 碑とする無銘の無縫 塔がある。

  - 藤田定興『米沢法泉寺開山九山宗用について』
              (文化福島 1980/11月号)


案内板を後にして、旧大蔵寺門前の古碑の前に、しばらく立つ。

 旧大蔵寺門前の古碑

IMGP0331

 小倉寺大蔵寺は住古、阿武隈川の西にありと伝えられ、
 旧大蔵村方郎内(現、田部屋)の寺跡に残っていた但一基の古碑
 碑文「昨日雨今日伏拝□□□・・・・・・


古碑の先に、国が認定した重要美術品の「銅鐘」がある。

 国認定重要美術品「銅鐘」

IMGP0405

 銘文によると、寛文年間、第2世西堂の時鋳造され、その後延宝
 4年(1676)と元祿10年に修理されていることがわかる。

  (黒岩満願寺展図録 p.14)

IMGP0403

「福島市の文化財 福島市文化財調査報告書第5集」(昭和42年 福島市教育
委員会)には、次のように記されている(p.21)。

 寺伝によれば、当寺には古来いぼなしの鐘とよばれる鐘が
 あったが、これが大破した後をうけて、寛文年間(1661~
 73)にそれを模して鋳造したのがこの銅鐘であるという。


梵鐘の表面上方は、通常はイボ状の突起(乳(ち))が並び(多くは煩悩
の数と同数の108個とか)、「乳の間(ちのま)と呼ばれる。

満願寺の銅鐘には、この部分に飛雲と天女の姿が彫られていて、イボ
状の突起がない。

IMGP0403 天女



白河生まれの私にとって、満願寺といえば関山の満願寺が浮かんでくる。
丹羽公といえば白河小峰城とすぐに結びつく。関山の頂上にある銅鐘も、
黒岩の満願寺の銅鐘も、ともに昭和19年に、国の重要美術品としての認
定を受けた。

この寺は、懐かしい故郷の思い出を、何故か呼び覚ましてくれる。

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  1. 2016/06/29(水) 05:51:04|
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